睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です。
この病気の方は、

  1. 周囲の方からいびきを指摘される
  2. 夜間の睡眠中によく目が覚める(息苦しくなって目覚めることもあります)
  3. 起床時の頭痛や体のだるい感じ
  4. 日中の眠気

などで受診されることが多いようです。

 この病気の重要性は、睡眠中の低酸素や日中の眠気などによるストレスのために、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの心血管疾患の発生を増加させることで、これらの合併症により突然死されることもあります。また糖尿病、高脂血症などの生活習慣病もしばしば合併し、これら治療がなかなかうまくいかない原因の一つになっています。無呼吸低呼吸指数が20以上の患者さんでは、20未満の患者さんに比較して、明らかに寿命が短いことが報告されています。また、昼間の眠気は様々な運転や作業中の事故、仕事の効率の低下など生活の支障につながります。中には、抗うつ薬がが効かない”うつ病”と診断されていることもあります。この病気を正確に診断し、必要に応じて治療を行うことは重要です。

 当院では、日中の眠気の評価を評価するために、問診票を記入していただいた上で、必要に応じて簡易ポリソムノグラフィー検査を外来で施行します。睡眠時無呼吸症候群と診断され、中等度~重症の場合は精密検査(精密検査を施行できる連携専門施設をご紹介させていただきます。

精密検査でCPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)(*注)適応があると判断された場合には、当院で対応可能ですのでご相談ください。

(*注)1998(平成10)年に健康保険適用になり、現在では中等~重症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の標準的治療法として確立し広く用いられています。機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。